「土用しじみ」と「寒しじみ」とは

しじみは、流通しているほとんどすべてが「ヤマトシジミ」です。
そうであるにもかかわらず、「土用しじみ」と「寒しじみ」の2種類の名前を聞いたことがある方も少なくないでしょう。
では、これらの違いは何でしょうか。
同じヤマトシジミですが、ある違いによって名前が分けられているのです。
今回は、その違いについての紹介します。

「土用しじみ」と「寒しじみ」とは

土用しじみとは何か

そもそも土用とは、立春、立夏、立秋、立冬の前のそれぞれ18日間の期間を呼びます。
土用しじみは、夏バテ防止などの目的で立夏の時期に広く食べられていたことから名づけられました。
つまり、夏ごろに捕られたしじみを「土用しじみ」というのです。
しじみはオルニチンが豊富に含まれています。
100gあたりで、ヒラメが0.6ミリグラムから4.2ミリグラムの間、チーズで0.8ミリグラムから8.5ミリグラムの間となっています。
それに対し、しじみは10.7ミリグラムから15.3ミリグラムとなっており、いかに豊富にオルニチンが含まれているかがわかるでしょう。
オルニチンはアンモニアなどの不要物を体内にしっかりと排出してくれて、肝臓機能の健康を保ちます。
夏バテは肝臓の機能の低下が原因とされ、血糖値の不安定化による疲れやすさが元となっています。
このことから、土用しじみは夏に広く食べられているものといえるのです。

寒しじみとは何か

寒しじみは、1~2月ごろに捕られたしじみのことです。
冬の寒さを乗り越えるために、身が引き締まっています。
これにより栄養が凝縮されており、オルニチンの量もより豊富になります。
これにより栄養が凝縮されており、オルニチンの量もより豊富になります。
しじみを冷凍すると、オルニチンの量が7倍にも増加するといわれていますが、それと同じ要領で増えていきます。
オルニチンは、先述のように肝臓の機能を健康に保つ作用があるので、オルニチンが増えるほどにその作用は確かなものとなります。
土用しじみよりもオルニチンの量は多い傾向にあるので、肝臓の健康を重視してしじみを摂取したい方は寒しじみの方がおすすめといえるでしょう。

どちらが悪いということはない

土用しじみと寒しじみについてご紹介しました。
どちらが悪いということはなく、季節による特徴の変化が少し生じているだけです。
しじみが健康面で良い効果をもたらすのは確かなので、特に違いにこだわる必要はないでしょう。
注意点としては、肝臓に効率よく良い効果が得られるからといって、それに安心して生活が不摂生になることです。
これでは肥満や血圧、血糖値の悪化、栄養の偏りなどが起き、結局肝臓以外の場所が危機にさらされてしまいます。
なので、まずは健康的な生活を心がけ、それを土台にしじみによる肝臓への効果を期待した方が、最終的には体そのものの健康につながります。
RELATEDおすすめの関連記事
トップに戻る