しじみと日本の歴史

皆さんは、しじみに関する歴史について気になったりしたことはあるでしょうか。
おそらく一般の人のほとんどはなく、あるといえばその道の研究家や専門家ぐらいでしょう。
しかし、現代に至るまでにどのような歴史を歩んできたかを知ると、よりしじみへの関心が深まることと思います。
というわけで今回は、しじみと日本の歴史についてご紹介します。

しじみと日本の歴史

大昔から食べ物として認知されていた

しじみが食べられていたのは、江戸時代やそれより最近のようなものではありません。
実は、縄文時代にはすでに日常的に食べられていたのです。
縄文時代は、諸説ありますが紀元前14000年頃から前4世紀頃を指します。
つまり、約1万5000年前から約2300年前です。
こんなに昔ではありますが、この時代の人々はたくさんしじみを食べていました。
それがわかるものとして、「貝塚」があります。
貝塚はこの当時の人々が貝殻や不要になった土器などを捨てていた、いわば「ゴミ捨て場」でした。
この貝塚と呼ばれるものは全国各地にあり、多くの貝塚から大量のしじみの貝殻が出土しています。
すでに、人々の食生活の中でしじみが定着していたといえます。

効果があることは知られていた

縄文時代から食べられていたしじみは、現在に至るまで食べられ続けています。
特に江戸時代には、様々な病気にしじみが効くといわれ、価格が高騰してしまうほどに人々からの人気がありました。
当時の川柳で、しじみを高く売る商人を皮肉った内容のものがあることから、その様子が伺えます。
つまり、「食べれば体に良い」ということは昔から広く認知されていたのです。
医療技術が進んだ現代だから、どの栄養素により効果があるかということがはっきりわかり、それによりようやく人々が効果を知ったのではないのです。
「食べれば効果がある」からこそ、その仕組みが解明されていなかった昔の時代でも愛されていたわけです。

時代とともに入手しにくくなっている

しじみの効果と、それがなぜ起こるのかについては、すでに現代の技術で解明されています。
それゆえに美容やダイエット目的でしじみを摂取しようという人も珍しくなく、需要は衰えていません。
しかしながら、しじみは時代とともに漁獲量が減っており、その分値段が上がっているのです。
ピークであった昭和45年頃は、漁獲量が5万5000トンを超えており、1キロあたりの値段は10円やそれ以下でした。
それが平成20年になると、漁獲量は9800トン程度で、1キロあたり700円近くにまでなっています。
物価が時代とともに上がったのもありますが、目に見えて急上昇を続けています。
需要はあっても供給が少なく、値段も高いということは、現代はしじみを手に入れにくい時代であるといえます。
これはしじみの生息している環境における護岸工事による人工化や、汚染などによる「住処の減少」が主な理由として挙げられます。
環境保全が積極的に行われているので、これからの時代は緩やかに値段が上昇しつつも、漁獲量が激減することは少ないと予測できます。

しじみは日本の食生活の歴史と密接な関係

今回ご紹介したように、しじみは長い日本の歴史の中で疎遠な関係になることなく、日本人の食生活と密接な関係にありました。
現代ではサプリメントとしての摂取など、新しいしじみの摂取方法が生まれています。
この先の未来では、また異なったしじみの摂取方法が出てくるかもしれません。
生のしじみも、様々なレシピが作られて共有されているので、サプリメントが普及したからといって生のしじみが衰退することは考えにくいでしょう。
皆さんも、たくさんの効果が秘められているからこそ食べられ続けてきたしじみを積極的に摂取していきましょう。
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