しじみを食べ過ぎる心配は

広く味噌汁の具として食べられることの多いしじみ。
少なくとも、体に悪いといったうわさを聞いた人はほぼいないことでしょう。
なので、無条件に摂取を控えるべきということを聞いた人もいないはずです。
しかし、実際にはしじみの食べ過ぎにより生じる心配は何かあるのでしょうか。
今回は、その詳細についてご紹介します。

しじみを食べ過ぎる心配はあるのか

健康な人には特に心配はない

何か持病があったり、食物アレルギーが起こりやすいといったことがない限り、しじみによる食べ過ぎの心配はありません。
しじみにはビタミン類やミネラルが豊富に含まれており、それらの過剰摂取になるのではと心配する方もいることでしょう。
例えばビタミンCを見てみましょう。
成人の1日のビタミンの推奨摂取量は100ミリグラムです。
1000ミリグラム以上はあまり好ましくなく、上限は2000ミリグラムです。
ビタミンCの場合、1000ミリグラムを超えれば下痢が起こりやすくなり、上限である2000ミリグラムを超えれば吐き気などが起こりやすくなります。
しかし、しじみの100グラム当たりのビタミンCの含有量は1ミリグラム程度です。
2000ミリグラムを摂取するには200キロものしじみを1日で摂取しなければ届かないので、現実的ではありません。
他の栄養素も、同じように過剰摂取となるには到底不可能な量のしじみの摂取が必要となります。
ここからお分かりのように、しじみは毎日味噌汁などで摂取している限り、絶対といっても良いほどに過剰摂取にはならず、食べすぎかなと思うほどたくさん摂取しても問題ありません。

肝臓に問題があれば要注意

しじみは肝臓に健康をもたらすのが本来の効果ですが、もうすでに肝臓病などを患っている場合は注意が必要です。
中でも、鉄分が問題となります。
しじみには、100グラム当たりで5ミリグラム程度の鉄分が含まれています。
成人の男性であれば7ミリグラム程度、女性であれば10ミリグラム程度が推奨されている目安の量で、40~50ミリグラムが上限となります。
この上限を超えると、心不全や心筋症、肝硬変、糖尿病、皮膚の一部の変色などの症状が起きる危険があります。
鉄分はどの食品も豊富に含まれているわけではないので、そう簡単にこの上限を超えることはありません。
しかし、肝臓に疾患を抱えている方は、この上限の量が下がります。
そのボーダーとなるのは人により異なりますが、健康な人であればまだ安全な量であっても、肝臓に疾患がある場合はすでに過剰摂取になる場合があるのです。
すると、先述のような症状が起きやすくなってしまいます。
肝臓に疾患のある方は、できるだけ鉄分を豊富に含むしじみの摂取は抑えた方が良いでしょう。

肝臓に問題がなければほぼ心配なし

今回ご紹介したように、しじみの食べ過ぎによる心配は肝臓に疾患がある場合と、限定的なものになっています。
なので、肝臓はもちろん健康体な方であれば、しじみを多めに摂取しても「食べ過ぎ」によって何か問題が起こるということはほぼ皆無といえます。
ただ、偏食といったバランスの悪い食生活になれば、だれでも体調を崩しやすくなるので、しじみばかりの摂取に偏るのはおすすめできません。
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