しじみの殻の色は何色なのか

しじみの殻の色といえば、黒っぽい色をしていると思い浮かべる方が多いことでしょう。
それは事実ですが、実際にはそうではないものもあるのです。
食べる部分ではないので関心を寄せる方はあまり多くないですが、今回はしじみのからの色は何色なのかについての詳細をご紹介します。
雑学として知っておくのも良いでしょう。

しじみの殻の色とは

しじみは元々白色

しじみは元々炭酸カルシウムという有機石灰でできた物質なので、白色です。
とはいってもこのまま成長していくわけではなく、可食部であるしじみの体そのものを守る役割である殻は、その環境にさらされるので色が変わっていくのです。

汽水と海水の環境では黒色になる

黒に近い色であれば、それは鉄分を多く含む環境で育ったためです。
これは鉄分の色が黒色であり、黒色の物質に長期的に触れているから殻が黒色になるのです。
似たことで、鉄分を多く含む貧血などを改善する薬があります。
それを飲んだことのある方であれば体験したことがあるかもしれませんが、服用すると便が黒っぽくなりがちです。
これも、鉄分によるものです。
また、淡水が海水と混じりあう汽水の場所であれば鉄分と硫黄の両方が含まれている場合もあります。
この場合は、両者が化合することによって硫化鉄という鉄分の一種になります。
これにより、先述の鉄分が多い場合と同じく殻は黒色になります。
というように、鉄分の物質としての色が黒色なので、これが多い環境のしじみの殻も黒色になるのです。
現在流通しているしじみのほとんどがヤマトシジミであり、それが生息しているのが基本的に汽水の環境です。
黒色のしじみ以外ほとんど見かけないのはこのためです。

淡水の環境では黄色になる

黒色になるしじみが多く出回っているわけなので知られにくいですが、黄色いしじみもあります。
これは全く違う種類の貝との見間違いというわけではありません。
これもまた、生活環境によるものです。
黄色いしじみがそうなるのは、硫黄によるものです。
鉄分ではなく硫黄が多く含まれる環境で育つと、硫黄の色が長期的に生きることで付着していきます。
火山付近では熱い水蒸気が噴き出ているところがあり、その周辺の石が黄色くなっているのを見たことはないでしょうか。
そのように石が黄色くなっているのも、硫黄の成分にさらされているからです。
よって、黄色いしじみは硫黄の成分によるものというわけです。
黄色いしじみは基本的に汽水ではできにくいというわけなので、それは川でのみ生息するセタシジミだというわけです。

どちらを食べても問題ない

黒色のしじみが当たり前というほどに一般的なので、黄色いしじみは見た目の時点で敬遠したり、食べると悪影響があるのではと疑う方がいてもおかしくないでしょう。
しかし、実際はどちらでも問題ありません。
殻の部分はしじみの体にあたる可食部を守るためにあり、殻が黒色でも黄色でも、内部の可食部には変わりがないからです。
色が違っていても、特に気にすることなく食べて良いでしょう。
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